何故か分からない
良く見ると、それらも全部使った形跡がない。
不思議に思った私は悪いと思いつつも、洗面台の下の戸棚の扉を開けた。
空っぽ・・・?
こんなことってあるだろうか California Fitness唔呃人。
日用品の買い置きの一つも無いの?
何故か分からないけど、背中を嫌な汗が伝うのを感じた。
私は焦りに駆られたように洗面所から繋がるバスルームのドアを開けた。
シャンプーやボディソープ、タオル、当たり前のものが並んでいる。
お風呂掃除の道具だってある。
でも、それらもやっぱり一度も使った形跡がない。
排水溝に髪の毛の一本すら落ちていない California Fitness唔呃人。
この家・・・。
まるで、モデルルームみたい。
生活用品は全部揃っているのに、そこに暮らしている人間の気配が無い。
まるで、ここに住んでいる「振り」をしているような・・・。
私が洗面所の中で呆然と立ち尽くしていると、背後のドアがゆっくりと開いた。
「・・・ねえ、何してるの?」
その声にびくりと全身を震わせた私は恐る恐る声の主を振り向く California Fitness 月費。
と言っても、この家には今沖田さんと私しかいないはずだ。
彼は洗面所の入り口を塞ぐようにドアに寄り掛かり、腕を組んでこちらを見詰めていた。
「着替え終わったみたいだね」
「は、はい・・・あの、沖田さん・・・?」
「洋服貸しなよ、洗ってあげる」
「いえ、結構です。それより、あの・・・」
自分の声が震えているのが分かった。
これ以上無い程の嫌な予感に身体中が埋め尽くされ、私の中にいるもう一人の自分が警鐘を鳴らす。
何か決定的な出来事が起きたわけでもないのに、もやもやとした得体の知れない恐怖感に襲われている今の状況が、私の息を詰まらせ心臓を鷲掴みにした。
こめかみからはタラリと汗が流れ落ち、胸の鼓動は嫌なリズムを刻む。
「お、沖田さん、私聞きたい事が・・・」
「じゃ、ついでに僕の洋服も洗濯しようかなぁ」
沖田さんは私の言うことなんて何も聞こえないようにそう呟いた。
なのに、目だけは妙にギラギラとしていて、さっきからずっと私を射るように見詰めている。
・・・そして彼はその場で強張ったまま動けない私を薄ら笑いを浮かべ見下ろしながら、まるで何かを見せつけるようにして上半身の服を脱ぎ捨てた。
「・・・・っ!!」
瞠られた私の目はある一点を見詰めていた。
自分の全身にざっと悪寒が走り、指先が細かに震え出す。
・・・私の視線の先にあるのは、左胸に刻まれた桜紋様の痣。
それは土方さんにあるのと紛れも無く同じもの。
言葉にできない動揺が喉元まで込み上げる。
何か言いたいのに何も言えず、私は突然突き付けられた事実に呼吸が止まりそうな程の混乱に陥った。
いつも通りの優しい笑みを浮かべた沖田さんが私の傍へと歩み寄ってくる。
本当は全力で逃げ出したいのに、あまりの恐怖に足が一ミリも動かない。
「ねえ・・・まりあちゃんって僕のこと好きなんでしょ?」
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